「ウコンが肝臓に良い」は大きな間違いです!ウコンと肝臓の関係を知りましょう。
ウコンとは?
健康食品として知られているウコンですが、
ウコンってどんなものかご存知ですか?
ウコンとは、
カレーなどに使われる香辛料のひとつです。
そのため、
インドなど南アジアでは日常的に使われている
調味料(香辛料)と言えます。
日本ではウコンというと、
健康食品というイメージが強いですよね。
国立健康・栄養研究所によると、
ウコンには健胃効果、消化促進効果、強心作用、
抗出血作用、悪玉コレステロールの酸化抑制効果、
胆嚢運動促進効果、抗炎症作用などがあります。
ウコンというと、二日酔いに良い
というイメージがあると思いますが、
これは胆嚢運動促進効果によるものです。
ウコンによって胆嚢の働きが活発になり、
胆汁の分泌が促進されます。
二日酔いの原因は、
肝臓でアルコールが分解される時にできる
アセトアルデヒドという物質ですが、
胆汁はこのアセトアルデヒドを
排出する作用があるのです。
そのため、
ウコンは二日酔いに効果があるんですね。
ウコンは肝臓に悪い?
ウコンは上記のような健康効果があり、
さらに二日酔いにも効果があるため、
「二日酔いに良い=肝臓に良い」
という認識が広がっていますが、
これは大きな間違いです。
国立健康・栄養研究所の報告によると、
38歳男性が飲酒による肝機能低下を予防する目的で、
ウコンとシジミエキスを含む健康食品を
摂取していたところ、肝機能が悪化し、
劇症肝炎を発症したという例があります。
また、肝機能に異常のあった74歳女性が
1年間ウコンを摂取したら、肝機能がさらに悪化して
自己免疫性肝炎と診断されたという例もありますし、
飲酒習慣のある30代男性が
ウコンを大量に摂取していたら、
肝機能が低下し死亡したという例もありました。
これらの症例を見ると、
「ウコンが肝臓に良い」とは
決して言えないことがわかると思います。
ウコンが肝臓に悪い理由
なぜウコンは肝臓に悪いのでしょう?
ウコンには大量の鉄分が含まれています。
もともと肝機能が低下している人は、
鉄分が肝臓に蓄積しやすく、
蓄積した鉄分が肝炎を引き起こすのです。
そのため、C型肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎、
肝硬変など肝機能に異常があったり、
肝機能が低下している人は、ウコンの大量摂取は、
肝機能をさらに悪化させる可能性があるため
非常に危険です。
また、最新の研究ではウコンの有効成分である
クルクミンとアルコールの相乗作用で
肝機能を低下させるという報告もあります。
ウコンは、健康な人が
通常の食事から摂取する分には問題がありません。
ただ、サプリメントや健康ドリンクなどから
ウコンを摂取する場合は、
鉄分含有量が少ないものを選び、
摂取量をきちんと守るようにしましょう。