サマータイムは健康に悪影響?サマータイムが健康へ及ぼす影響とは?
サマータイムのメリット
欧米を中心に世界70カ国で導入されているサマータイム。
サマータイムとは、1年のうち日照時間が長くなる
夏の期間だけ標準時より時計を1時間早く進めて、
太陽の出ている時間帯を有効活用しようとする制度です。
日本でもサマータイム導入の検討が続けられていますが
企業ごとに夏の間だけ始業時間を早めたり、
緯度が高い北海道だけサマータイム制度を実験的に
導入するなどの試みは行われていますが、
本格的実施には至っていません。
サマータイム制度を導入すると、
照明の節約や日中の活動時間が増えることでの経済効果、
終業時間が早くなることによる余暇の充実、
交通事故や犯罪率低下などのメリットがあると
言われています。
サマータイムで睡眠障害
上記のようなサマータイムのメリットを見ると、
サマータイムは良いこと尽くめのように思えますが、
健康には悪影響があるという調査結果も出ています。
日本睡眠学会によると、サマータイム制度の導入で
「生体リズムへの影響」、「眠りの質への影響」、
「眠りの量への影響」が起こると懸念されています。
特に日本では欧米に比べて、
夜型・短時間睡眠の人が多いため、
睡眠障害が起こる可能性は高いと推測されています。
実際にサマータイムが導入されているフィンランドでは、
サマータイム移行後に、
睡眠効率の低下や体重増加が認められ、
平均睡眠時間が8時間以下の人は、
日中に集中力の欠如や眠気が起こりやすい
との調査結果が出ているんです。
たった1時間時計を進めるだけで、
睡眠障害が起こる可能性があるんですね。
サマータイムで心臓発作が増加
サマータイムでの健康被害は、
障害だけではありません。
アメリカの心臓病学会の調査によると、
サマータイム開始のために時計の針を1時間進めると、
その直後の月曜日に心臓発作が急増し、
サマータイムが終了して1時間余分に眠った後の
火曜日の心臓発作は減少するそうです。
この調査をしたアメリカの
コロラド大学デンバー校のサンドゥー氏は
「私たち人間の体は、
睡眠時間がたった1時間少ないだけで
非常に敏感に反応する可能性がある。
つまり、急に時間が変更された直後は、
すでに心臓病にかかりやすくなっている人たちの
リスクがさらに高まる可能性があるということだ。」
と述べています。
サマータイム導入によって、
睡眠障害や心臓発作のリスクが上がることが
わかってきましたが、
ロシアではサマータイム移行期に
心筋梗塞患者が増加するなどの理由から、
2011年にサマータイム制度を廃止しています。
今後、日本でも本格的に
サマータイムが導入されるかはわかりませんが、
もし導入された場合、健康に悪影響があることを認識して、
健康維持に努めるようにしたいですね。