秋から冬にかけて流行する、乳幼児が注意すべき感染症を知っておきましょう
乳幼児は大人よりも重症化しやすい
秋から冬にかけては、
インフルエンザやノロウイルス、ロタウイルスなどの感染症が
毎年のように流行します。
これらの感染症は、手洗いやうがいの徹底、マスクの着用、
消毒や除菌などでしっかり予防することが大切です。
特に、小さなお子さんのいるご家庭では特に注意が必要です。
なぜなら、これらの感染症にかかると
乳幼児は大人よりも重症化しやすいからです。
なぜ、乳幼児は大人よりも重症化しやすいのでしょう?
それは、体の機能が未発達だからです。
乳幼児は成人に比べて、体内の水分量が多いですよね。
成人は体重の60%が水分ですが、
新生児は80%、乳児は70%、幼児は65%が水分なんです。
1日に必要な水分量は、体重1kgあたり新生児は50~120ml、
乳児は120~150ml、幼児は90~100mlであるのに対し、
成人は40~50mlで十分です。
体重あたりの1日に必要な水分量を見ると、
乳幼児がいかに脱水になりやすいかがわかります。
また、免疫機能も大人に比べると弱いんです。
脱水になりやすく、免疫機能も弱ければ、
乳幼児が重症化しやすいのは当然ですよね。
子供が特に注意したいRSウイルス
ほとんどの感染症が
大人より子供のほうが重症化しやすいですが、
感染症の中でも特に子供が注意すべきもの、
そして秋から冬にかけて流行しやすいものをご紹介します。
1つ目がRSウイルスです。
RSウイルスは、風邪とよく似た症状で、
のどの痛みや咳、鼻水、発熱などが出ます。
通常は1週間程度で回復しますが、
重症化すると咳がひどくなり、呼吸困難になり、
さらにひどくなると細気管支炎や肺炎を引き起こします。
このRSウイルスは2歳までにほぼ100%が感染するウイルスで、
特に珍しいものではありませんが、
6ヶ月未満の赤ちゃんが感染すると、
重症化する確率がグッと上がりますので要注意なんです。
RSウイルスはくしゃみや咳などの
飛まつ感染が感染経路となりますので、
6ヶ月未満の赤ちゃんがいるご家庭では、
マスクの着用や手洗いうがい、
アルコールでの消毒を徹底するようにしましょう。
患者数が急増しているマイコプラズマ肺炎
秋から冬にかけて流行し、
乳幼児が注意すべき感染症の一つに
マイコプラズマ肺炎があります。
マイコプラズマ肺炎は、
発熱や全身倦怠感、頭痛などの初期症状が現れたあとに、
乾いた咳が続くことが特徴です。
この乾いた咳は熱が下がった後もしばらく続き、
通常3~4週間は続きます。
マイコプラズマに感染するのは
0~14歳が8割を占めていて、その中でも小学生が多いんです。
マイコプラズマ肺炎はここ数年で患者数が急増していて、
重症化すると重症肺炎や胸膜炎に移行することもありますので、
注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎の予防は、
マスクの着用や手洗い、うがいが有効です。
マイコプラズマ肺炎もRSウイルスも、
大人でも感染する感染症ですが、
特に乳幼児は注意したい感染症です。
秋から冬にかけては、
インフルエンザやノロウイルスばかりに
注目が集まりがちですが、
マイコプラズマやRSウイルスも
しっかり予防対策をしておきましょう。