ノロウイルスに感染したときの対処法を事前に知っておきましょう。
ノロウイルスに感染したら?
冬になると、毎年ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。
2014年も11月に入ってから、全国各地で流行の兆しが出始めていて、
大分市では保育園の園児や職員計32人が
ノロウイルスの集団感染を起こしています。
ノロウイルスに効く抗ウイルス薬はありませんので、
ノロウイルスに感染したら、
嘔吐や下痢に対する対症療法を行うしかありません。
ノロウイルスに感染したら、まず水分補給を心がけましょう。
嘔吐や下痢は想像以上に体内の水分を喪失させます。
気づいた時には、
脱水症状でグッタリということになりかねませんので、
少しずつこまめに水分補給をして下さい。
また、嘔吐や下痢は電解質のバランスも失いますので、
ノロウイルスの時の水分補給は
イオン飲料や経口補水液が良いでしょう。
下痢になると、「下痢止め薬を飲まなくちゃ!」
と思うかもしれませんが、薬で無理やり下痢を止めてしまうと、
胃腸炎の原因であるノロウイルスが長時間体内に留まってしまい
症状を長引かせる原因になってしまいますので、
自己判断で下痢止め薬を服用するのはやめましょう。
下痢や嘔吐がひどく、
自力で水分補給が難しいという場合や腹痛がひどい場合は、
早めに医療機関を受診するようにしてください。
乳幼児や高齢者は脱水になりやすいですので、
特に注意が必要です。
二次感染を起こさないことが重要
家族の中でノロウイルスに感染した人が1人でも出ると、
家族みんなが感染してしまうというケースが多々あります。
ノロウイルスの感染力は、そのくらい強力なんです。
家族内にノロウイルス感染者が出たら、
二次感染を起こさないように
予防対策をとることが重要になります。
二次感染を予防するためには、
まず感染者が使ったものを徹底的に消毒する必要があります。
この消毒には、
次亜塩素酸ナトリウムを用いるようにしてください。
ノロウイルスは、アルコール消毒液や酸素系漂白剤、
一般的な合成洗剤や石鹸などでは死滅しませんので、
消毒効果がありません。
タオルの共用などを避ける、
トイレは使用後に消毒するのはもちろんですが、
カーテンや衣類、ドアノブなども消毒が必要ですし、
食器類も使用後はすぐに塩素系消毒液に浸して消毒しましょう。
また、嘔吐物の処理の時は、
そこから舞い上がったウイルスを吸い込むだけで感染しますので、
使い捨てのマスクやガウン、手袋を着用すること、
ふき取った嘔吐物やガウン、
マスクなどはビニール袋に密閉して捨てること、
嘔吐物がついた服やタオルはできれば煮沸消毒して、
ほかの洗濯物とは分けて扱うことなどを徹底してください。
ノロウイルスの薬が開発されるかも?
現時点では、ノロウイルスはワクチンもありませんし、
有効な抗ウイルス薬もありません。
でも、近い将来、
ノロウイルスの特効薬が開発されるかもしれません!
日本の製薬会社が開発した抗ウイルス薬が
エボラ出血熱に効果があるとして、
未承認ながらWHOに使用を容認されている
「アビガン」という薬があります。
イギリスのケンブリッジ大学の研究チームは、
このアビガンがノロウイルスにも
効果がある可能性があると発表したんです。
マウス実験によると、
アビガンを投与することでノロウイルス感染を
低減または除染する効果が確認されたとのことです。
このまま研究が進めば、エボラ出血熱と同じ薬で
ノロウイルスの治療が行われるようになるかもしれませんね。