イメージ画像

傷口の消毒は不要?早くきれいに治すための湿潤療法を知りましょう。




消毒は時代遅れ?

150812-1

料理をしている時に誤って包丁で指切ってしまったり、
子どもが転んで擦り傷を作ることはよくありますよね。

擦り傷や切り傷の手当はどうやっていますか?

消毒をして絆創膏を貼ったり、
ガーゼで覆うという処置が一般的かもしれません。

でも、この方法は時代遅れのものなんです。

傷は消毒をして、ばい菌をやっつけて化膿を防ぐ。

これは、一昔前では常識でした。

でも、現代の常識では傷を消毒すると、治り遅くなるんです。

皮膚に傷ができると、
傷を治すために血小板やらマクロファージ、
好中球などが傷の周囲に集まります。

そこを消毒してしまうと、化膿さえるばい菌だけではなく、
傷を治す役割がある細胞までも殺してしまうんです。

さらに、皮膚には常在菌がいます。

皮膚の常在菌は、
異物の侵入を防いで皮膚を守る役割を果たしていますが、
消毒をするとその常在菌が死にますので、
病原菌が傷から侵入しやすい環境を作ってしまうんです。

湿潤療法で早く治そう

150812-2

では、擦り傷や切り傷を作ってしまったら、
どうすれば良いのでしょうか?

擦り傷や切り傷は、
まず水道水できれいに洗い流しましょう。

水道水で傷口の小石やゴミ、砂などを洗い流してください。

この時に、丁寧に洗わないと、
傷口周囲に異物やばい菌がついたままになりますので、
化膿する原因になります。

傷口をきれいに洗ったら、
次は傷口を保護しなくてはいけません。

一般的な絆創膏やガーゼで覆うのではなく、
湿潤療法用の絆創膏や被覆剤を使いましょう。

傷口は乾燥させるよりも
湿潤環境で乾燥させないように保護するほうが、
治りが早く、しかもきれいに治るんです。

擦り傷や切り傷があると、
傷口がグチュグチュして浸出液が出てきますよね。

あの浸出液の中には細胞の成長や
再生を促す成分が含まれていますので、
その浸出液で傷口を覆って、乾燥させないようにすると、
傷口が早く治るというわけです。

また、絆創膏やガーゼだと
傷口が乾いた後に剥がすと痛みがあって、
再出血することもありますが、湿潤療法を行えば痛みありません。

湿潤療法が適用外になることも

150812-3

擦り傷や切り傷は水道水で丁寧に洗い、
湿潤療法で治療すれば、早くきれいに治るのですが、
すべての傷でこのやり方が適用になるというわけではありません。

傷口がギザギザしているような裂けた傷や出血が多い傷
水道水で洗っただけでは傷がきれいにならず、
異物が傷の中に入ってしまっている場合や傷が深い場合
この湿潤療法は適用外になりますので、
病院を受診するようにしましょう。

また、自分のペット以外の動物に噛まれたり引っかかれた場合も、
どんな感染症を持っているか不明ですので、
必ず病院を受診してください。

以前は消毒して絆創膏が傷の処置の常識でしたが、
今は水道水で洗ってから湿潤療法が傷の処置の基本です。

早くきれいに治すためにも、湿潤療法を試してみましょう。





タグ



2015年8月12日 | カテゴリー:健康全般

あわせて読みたい関連記事