イメージ画像

罪の深さは計り知れない、話題性が先行している『現代のベートーヴェン事件』




話題性が先行しているが大問題を孕む事件

140301-1

現代のベートーヴェンこと
佐村河内守氏の起こしたゴーストライター事件は、
多方面に大きな衝撃を与えました。

ドラマのようなゴーストライターによる告白、
登場人物のキャラクターの濃さも相まって、
事件は日々センセーショナルに報じられ続けています。

しかしこの件は、
決して面白半分に扱ってはいけない
繊細な問題も孕んでいます。

それは、障害者に対する新たな偏見や
無理解を生み出しかねないということ。

はっきりと見て取ることのできない障害を
抱えている人は、たくさんいます。

中には、それが重度の障害であっても、
周囲からは全くの健常者に見える場合もあり、
そのような人たちに対する風当たりを
強くしたのかもしれないという点で、
この事件の当事者たちは
罪深いことをしでかしたのだと言わざるを得ません。

なぜこのような事件は起こりえたのか?

140301-2

その一方で、少なからず存在する障害の詐称。

障害者を騙り不当に手当てを受給する
不心得者を生んだ障害認定の甘さに、
図らずも一石を投じることとなりました。

この問題を受け、先の国会で厚生労働大臣は、
聴覚障害認定のあり方について見直しを検討する
との考えを明らかにしました。

もちろん、
現在も障害者手帳を不正取得した場合の罰則規定は、
法で定められています。

しかし聴覚障害の手帳は、
医師の診断書などを市町村役場の窓口に
提出して申請するのみの、書類審査で行われるため、
行政側が障害の内容について完全に把握するのが
困難とされます。

佐村河内氏の所持していたのは、
補聴器を使用しても聞こえない
「全聾」であると判断された人に発行される、
聴覚障害2級の手帳でした。

聴力だけでなく脳波の検査が必要

140301-3

聴覚の検査は、何種類かの高さの音を聴かせ、
本来であればその時の脳波を測定する
「聴性脳幹反応(ABR)検査」を行うべきなのですが
そのための機器が高価であり、
導入されている医療機関が少ないことや、
診断書の発行に1万円前後の費用がかかり、
申請者の負担となることから、
実際には脳波までは計測しないことが多かったのです。

しかし、今後はもう
このままにはしておけないということで、
障害者手帳についての検討会を、
専門医らを交えて立ち上げ、
その認定方法などを見直す運びとなりました。

しかし、実際にABR検査が義務づけられた場合に、
申請を行う障害者のみならず、
医療機関にも大きな負担が生じることとなり、
障害者への助成や支援の足かせとなっていきそうです。





タグ

あわせて読みたい関連記事