原因不明の嘔吐や腹痛。子供に多い「自家中毒」を知りましょう。
子供に多い自家中毒とは?
昨日までは元気だったのに、
突然繰り返し嘔吐したり、腹痛を訴え、
4~5日でまた元気になるというパターンを
繰り返しているお子さんはいませんか?
それは、自家中毒かもしれません。
「自家中毒」と言っても、食中毒とは関係ありません。
自家中毒は、「周期性嘔吐症」や
「アセトン(ケトン)血性嘔吐症」
とも呼ばれているもので、嘔吐や腹痛が主な症状ですが、
そのほかに食欲不振や倦怠感、頭痛、吐き気、
顔面蒼白などの症状も現れます。
「アセトン(ケトン)血性嘔吐症」
という名前からもわかるように、
自家中毒が起こっている時は、
血中のケトン体(アセトン)の濃度が
高い状態になることで上記のような症状が
起こることがわかっています。
子供に多い病気で、2~10歳頃に好発します。
10歳以降になると、体の筋肉量が増えて、
体に必要なブドウ糖の量が少なくなるため、
発症しにくくなると言われていますが、
稀に大人でも自家中毒を発症することがあります。
自家中毒の原因は?
自家中毒は、血中のケトン体濃度が
上昇することで起こると言われていますが、
なぜケトン体の濃度が上昇するのかは、
まだ解明されていません。
ケトン体の濃度上昇の引き金になると言われているのが
寂しさや不安、緊張、ストレスなど
精神的なトラブルです。
運動会やピアノの発表会など緊張する行事の前になると、
体調を崩しやすい子供がいますよね。
これは、自家中毒が原因と考えられています。
不安や緊張などが引き金となり、
自律神経のバランスが乱れて、
ケトン体の濃度が上昇するのです。
また人によっては、
症状を起こしやすい食べ物があります。
アイスクリームやシャーベットなどの冷たいもの、
みかんやグレープフルーツなどのかんきつ類、
チョコレートなどカフェインが入っているもの、
レトルト食品など化学調味料が入っているもの
などを食べると、
自家中毒を起こしやすいと言われています。
自家中毒になったら
自家中毒の症状が現れたら、
まずは脱水症状を予防するために、
水分補給をさせましょう。
糖分を一緒に補給できる
スポーツドリンクがおすすめです。
また、お子さんの食べたいものを
食べさせるようにすると良いでしょう。
水分を飲ませてもすぐに吐いてしまう、
ぐったりとしているなどの場合は、
脱水症状が進んでいますので、
すぐに病院を受診してください。
また、精神的なケアも必要です。
安心できる大人のそばで休ませること、
吐いた後の心のケアを行うこと、
子供の訴えをじっくり聞いてあげること、
周囲の大人が自家中毒を理解することなどが大切です。
また、学校や保育園などにも自家中毒を
起こしやすいことを伝えておくと良いでしょう。