糖質制限ダイエットは、痩せやすいけど危険?糖質制限ダイエットについて知りましょう。
糖質制限ダイエットのメカニズム
4~5年前から、糖質制限ダイエットというダイエット方法が
各種メディアで取り上げられるようになっています。
糖質制限ダイエットは、
糖質(炭水化物)の摂取量を制限する代わりに、
肉や野菜は好きなだけ食べてよいというダイエット方法です。
なぜ、肉や野菜は好きなだけ食べてよいのに、
糖質を制限すると体重が落ちるのでしょうか?
この糖質制限で痩せる理由は2つあります。
まず、糖質は体内でエネルギーとして使われます。
糖質を制限すると、当然エネルギーが足りなくなりますよね。
その不足したエネルギーは、体内の脂肪を分解して補います。
脂肪がエネルギーとして使われるので、
脂肪が減って体重が落ちるのです。
そして、糖質を制限すると、
食後に血糖値が上昇しにくくなりますので、
インスリンの分泌量が抑えられます。
インスリンは、
過剰な糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがありますので、
インスリンの分泌量が少なければ、太りにくくなるのです。
糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい?
炭水化物を制限すれば、
そのほかの肉や野菜は好きなだけ食べられるなら、
簡単にダイエットできると思うかもしれません。
でも、糖質制限ダイエットは、リバウンドしやすかったり、
長続きしなかったりするんです。
糖質制限ダイエットは、糖質を制限すればするほど、
体重が急激に落ちていきます。
ただ、あまりに体重が一気に減ると、
脂肪だけでなく筋肉も一緒に落ちますので、
基礎代謝が下がってしまうのです。
また、脳が「飢餓状態」と勘違いして、
エネルギー消費を抑えるようになります。
そして、体内に脂肪を蓄えるようになりますので、
ダイエット中なのに太りやすい体になってしまいます。
そのような状態で、目標体重になったから
ダイエットを止めて元の食生活に戻すと、基礎代謝が下がり、
太りやすい体になっていますので、
一気に体重が増えてリバウンドするというわけです。
また、糖質を制限していると、
甘いものを食べられなくなります。
甘いものが食べられないことでイライラし、
食欲に負けて一気にドカ食いしてしまう
というケースも多いようです。
糖質制限ダイエットは死亡率を上げる?
糖質制限ダイエットのデメリットは、
リバウンドしやすいというだけではありません。
糖質制限ダイエットは、
死亡率を上げるという研究結果がいくつもあるんです。
2008年にアメリカの国立衛生研究所は、
1万人を厳格な糖質コントロールを行って
血糖値を下げたグループと
標準レベルの血糖値コントロールを行ったグループに分けて
死亡率を調べたところ、
厳格な糖質コントロールを行ったグループのほうが
21%も死亡率が高いという結果が出たんです。
また2013年に聖路加国際病院で約27万人のデータを分析した結果、
糖質制限で糖質を1日の総摂取エネルギーの30%以下にした場合、
60~70%にした場合に比べて死亡率が
31%上がることがわかりました。
また、糖質制限ダイエットは肉類は好きなだけ食べられる
というメリットがありますが、
動物性たんぱく質を多量に取る食事をすると、
糖尿病のリスクが高くなるという研究結果もあります。
糖質制限ダイエットは、
もともと糖尿病患者の食事療法から始まったものです。
ただ、糖尿病の食事療法としても、
医師の間で賛否両論があるのが現実です。
糖質制限ダイエットをするなら、
専門家の指導の下で行うようにしましょう。
そして、個人でダイエットするなら、
やはり栄養のバランスが取れた食事と適度な運動で
ゆっくり長期間かけて痩せるようにしたほうが良さそうですね。