食後にまつわる嘘と本当。「食後の眠気」「横になると牛になる」・・。食後に取るべき行動とは?
食後に眠くなるのはなぜ?
昼食後に、急激に眠気に襲われて、
仕事をしなくてはいけないのに欠伸が止まらず、
仕事に集中できないという経験をお持ちの方は
多いのではないでしょうか。
なぜ、食後に眠くなるのでしょう?
これには2つの説があります。
1つ目は、胃腸に血液が集まるため、
脳への血流が少なくなるため、
食後に眠くなるという説です。
食べたものを消化するためには、
胃腸の働きを活発化させる必要がありますので、
胃腸の周囲に血液が集中します。
そうすると、脳への血流が少なくなりますので、
脳の働きが一時的に低下し、眠くなるのです。
2つ目が、低血糖になるためという説です。
「食後になぜ低血糖になるの?
逆に血糖値は上がるのでは?」と思うかもしれませんね。
血糖値を低下させるホルモンは、インシュリンです。
このインシュリンが分泌される膵臓が疲弊していると、
インシュリンの分泌量がうまくコントロールできず、
食後に血糖値を下げようとして
インシュリンが過剰に分泌されてしまうのです。
インシュリンが必要以上に分泌されると、
当然血糖値は下がり、低血糖状態になります。
低血糖の症状のひとつに眠気がありますので、
食後にインシュリンが過剰に分泌されて、
低血糖になり、眠くなるというわけです。
食後横になると牛になる?
昔から、
食後に横になると牛になると言われていますよね。
子供の頃、お母さんに
「食べた後、横になると牛になるよ!」と
怒られた人も多いのではないでしょうか?
なぜ、食後に横になると牛になると
言われているのでしょう?
これは、「食後すぐに横になる」ことは
行儀が悪いからという説もありますし、
食後に動かないと太る要因になるから
という説もあります。
では、食後に横になるのは
健康的に悪いことなのでしょうか?
実は、食後に横になることは、
医学的に良いこととされています。
食後は、体のメカニズムとして血液が胃腸に集中し、
消化・吸収を促進しますが、
食後にすぐ動いてしまうと、
胃腸に集中すべき血液が筋肉を動かすために
分散してしまいますので、
消化・吸収を妨げてしまいます。
そのため、食後は横になって体を休めることで、
消化・吸収を促す必要があるんです。
食後に横になる時の注意点
食後に横になって休むことは、健康に良い事ですが、
注意すべきことがあります。
それは、10~30分程度の短時間に留めることです。
特に、夕食を食べた後にそのまま就寝してしまうと、
脂肪が蓄積しやすくなり、肥満の原因となります。
消化・吸収を助けるためには、
30分程度横になるだけで十分です。
また、逆流性食道炎の人は、食後すぐに横になると、
症状を悪化させてしまいますので、
上半身を起こして休むようにしましょう。