秋に多い帯状疱疹。帯状疱疹の後遺症を残さないために、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
帯状疱疹と水ぼうそうは原因ウイルスが同じ
子供の頃に水ぼうそうにかかった記憶はありますか?
子供の頃に水ぼうそうにかかれば、
大人になってからもう一度かかる心配はないので
安心ですよね。
確かに、一度水ぼうそうにかかれば、
体の中に免疫ができますので、
再び水ぼうそうにかかる心配はありません。
でも、安心してはいけないんです。
水ぼうそうの原因は水痘ウイルスに感染することですが、
この水痘ウイルスは水ぼうそうが治っても、
体の中にひっそりと隠れているんです。
そして、このひっそりと隠れていた水痘ウイルスが
大人になってから暴れだすことがあります。
そうすると、帯状疱疹という病気を発症するんです。
帯状疱疹は、体の片側に帯状の赤みを伴った水疱ができ、
その部分は強い痛みを伴います。
帯状疱疹は幅広い年代の人が発症しますが、高齢者に多く
一生のうちで6~7人に1人が発症すると言われています。
帯状疱疹は秋に多いのはなぜ?
帯状疱疹は、秋に多いって知っていますか?
帯状疱疹の患者の約60%が9~10月に、
30%が2~3月に発症していて、
これ以外の時期に発症するのは10%前後しかいないんです。
なぜ、帯状疱疹は秋に多いのでしょう?
そもそも、帯状疱疹が起こる原因は、
体に隠れていた水痘ウイルスが暴れだすことです。
水痘ウイルスは、
水ぼうそうは一度かかると免疫がつきますが、
その免疫は年齢と共に徐々に弱くなっていきます。
だから、帯状疱疹は高齢者の発症が多いんですね。
そして、水ぼうそう以外の免疫全般が弱くなると、
さらに発症しやすくなるんです。
秋は、夏の疲れが体に残っている時期です。
最近は、「秋バテ」という言葉も出てきていますよね。
昼夜の気温差も大きく、秋雨前線や台風などの影響で
気圧の変化も大きくなります。
そうすると、どうしても免疫力は落ちてきますよね。
だから、帯状疱疹は秋に多いんです。
9~10月は高齢者の方は、
特に帯状疱疹に注意しましょう。
もし、疲れていると感じたら、
無理をせず休息をしっかりとって、
免疫力を高めるようにしておきましょう。
帯状疱疹は発症後すぐの治療が必要
帯状疱疹は強い痛みを伴い、ちょっと触っただけでも
激痛や電気が走ったような痛みを感じますし、
帯状疱疹後神経痛という治癒後も
痛みが続く後遺症が残ることがあります。
できるだけ早く治し、
後遺症を残さないようにするためには、
発症後できるだけ早く治療を開始しなくてはいけません。
帯状疱疹は発症後72時間が勝負と言われています。
発症後72時間で
ウイルスの増殖がピークに達するためなんです。
その後に治療を開始しても、
薬剤の効果はあまり得られないことがあります。
ですから、発症後72時間以内に
抗ウイルス薬を内服する必要があります。
赤い発疹が出る4~5日前から
ピリピリとした痛みがあったり、
体の片側にだけ赤い帯状水疱ができたりしたら、
たとえ軽症でも
すぐに皮膚科を受診するようにしましょう。