カリウムを取って、生活習慣病を予防しましょう!カリウムが血圧を下げるメカニズムとは
カリウムは高血圧予防になる!
「高血圧の人は、カリウムを取ると良い」
と聞いたことはありますか?
なぜ、高血圧にはカリウムが良いのでしょう?
カリウムが血圧を下げるメカニズムをご説明します。
カリウムの作用を説明する前に、
まずはナトリウムの作用を知りましょう。
ナトリウムは体内に水を溜める性質があります。
ナトリウムが増えれば、体内の水分量が増えるんです。
水分量が増えれば、血液の水分量も増えますよね。
血管内を流れる血液が増えれば、
その分だけ血管壁にかかる圧力が増しますので、
血圧が上がるんです。
ナトリウムは塩分に含まれていますので、
塩辛いものを食べると血圧が上がるというのは、
こういうメカニズムがあるからなんです。
では、なぜカリウムは血圧を下げるでしょう?
カリウムは腎臓で
ナトリウムを排出してくれる作用があるんです。
つまり、カリウムをたくさん取れば、
体内のナトリウム濃度が下がり、余分な水分も減りますので、
血圧が下がるんですね。
カリウムで脳卒中予防!
カリウムは脳卒中予防にもつながるという研究結果もあります。
アメリカのアルバートアインシュタイン医科大学の研究によると
50~79歳の閉経した女性を11年間追跡調査し、
カリウムの摂取量や脳卒中発症などを比較した結果、
1日の平均カリウム摂取量が多ければ多いほど、
脳卒中の発生リスクや脂肪リスクが
低くなることがわかったんです。
カリウム摂取量が
1日1925.5ミリグラム未満のグループを基準にすると、
3193.6ミリグラムのグループは、死亡率は10%減、
脳卒中12%減、脳梗塞16%減となっています。
カリウムの1日推奨摂取量は、
WHOによると3510ミリグラムです。
日本人の平均カリウム摂取量は2389ミリグラム前後ですので
1000ミリグラム以上も足りていない状態です。
カリウムを多く含む食品は、カブやほうれん草、バナナ、
アボカド、納豆、イモ類などがありますので、
積極的に食べたいですね。
腎臓疾患のある人は要注意!
健康な人はカリウムを取りすぎても、
腎臓がカリウム濃度を自動調整してくれますので、
カリウムを取りすぎて、
何か健康に悪影響が出るということはありません。
でも、腎臓疾患のある人、
腎機能が低下している人は注意が必要です。
腎機能が悪いと、余分なカリウムの排泄がうまくできず、
体内のカリウム濃度が上がってしまうんです。
では、体内のカリウム濃度が上がる、
つまり高カリウム血症になると、どうなるのでしょう?
高カリウム血症になると、
「血圧が下がりすぎる?」と思うかもしれませんが、
それは違います。
高カリウム血症になると、心臓が止まります。
正確に言うと、
心室細動や心室粗動などの致死的な不整脈を起こし、
きちんとした心臓の収縮・拡張が行われず、
血流がストップします。
そして、死に至るんです。
カリウムは高血圧予防、
脳卒中予防に効果的なミネラルですが、
腎機能が低下している人には
不整脈を起こす原因になってしまいます。
腎機能が低下している人は、
医師に指示された摂取量を必ず守るようにしましょう。