中高年の肩の痛みは五十肩だけではない?中高年に多い肩の痛みの原因について知りましょう。
肩の痛みは五十肩かも?
なんとなく肩の辺りが重い、痛いなぁと思っていたら、
その痛みがどんどん鋭くなって、
肩を急に動かすと激痛が走るようになったり、
痛みのせいで腕を肩から上に上げられないようになったり、
腕を後ろに回すことができなかったりなどの症状がある人は
いないでしょうか?
それは、五十肩が原因かもしれません。
肩に痛みと運動障害があること、
患者さんの年齢が40歳以上であること、
痛みの原因が明らかではないものという
3つの条件がそろったものを五十肩といいます。
年齢が40歳に近い場合は四十肩とも呼びますね。
五十肩になると、電車のつり革を持つ、洗濯物を干す、
寝返りをうつなどの日常生活で当たり前のように
してきたことができなくなるので困りますよね。
でも、五十肩は上記の条件にもあるように、
原因不明のものなんです。
そのため、治療は基本的に患部を
安静にしておくこと以外にありません。
五十肩は初期症状が始まってから
痛みのピークがくるまでに数ヶ月、
痛みのピークは数週間続き
徐々に痛みが和らいできます。
五十肩ではない可能性も!
肩の痛みを感じ、五十肩だと思っていたら、
実は五十肩ではなく違う病気が隠れていた
というケースもあります。
五十肩と誤解しやすいのはリウマチ性多発筋痛症です。
肩や首の周りの凝ったような痛みが生じる
リウマチ性多発筋痛症は、炎症を伴って、
突然発症するのが特徴です。
痛みは肩や首周囲だけでなく、
股関節周囲にも現れることがあり、
痛みがある部分を動かすと、さらに痛みが増強するため、
寝返りすら打てなくなることもあるんです。
リウマチ性多発筋痛症は原因不明の疾患で、
リウマチ性多発筋痛症の診断のための検査方法も
今のところありませんので、
同じような症状の疾患を消去法で消していって、
最後に残ったのがリウマチ性多発筋痛症だった場合、
「リウマチ性多発筋痛症」と診断されます。
リウマチ性多発筋痛症で失明のリスクも?
「リウマチ性」と聞くと関節が破壊されて、
肩や首の関節部位が変形してしまうのでは?
と思うかも知れませんが、
リウマチ性多発筋痛症はそういう心配はありませんし、
命の危険もありません。
そのため、あまり重要視せずに、
リウマチ性多発筋痛症の診断を受けても、
そのまま放置してしまう人もいるのですが、
きちんと治療しないと失明してしまうかもしれないんです。
リウマチ性多発筋痛症の怖いところは、
難病の巨細胞性動脈炎を併発する可能性が高いことです。
リウマチ性多発筋痛症の患者の15%が巨細胞性動脈炎を併発し、
巨細胞性動脈炎の50%が
リウマチ性多発筋痛症を併発しています。
巨細胞性動脈炎を併発すると、
こめかみ近くの動脈に炎症が起こりますので、
視力低下や失明につながる可能性があるんです。
五十肩は有効な治療法はありませんが、
リウマチ性多発筋痛症は、
ステロイドの内服、投与が有効ですので、
早めに整形外科を受診するようにしましょう。
ただ、痛みがなくなったからといって、
自己判断でステロイドの内服を中断してしまうと、
再発するリスクが高いですので、
きちんと医師の指示にしたがって治療してください。