腰痛の原因はストレス?腰痛の原因や種類について知りましょう。
腰痛には2種類ある
腰痛に悩んでいる人は多いと思います。
平成22年の厚生労働省による国民生活基本調査によると、
何らかの自覚症状がある人の中で
その症状が腰痛であるという人は、男性では最も多く、
女性でも2番目に多くなっています。
腰痛はとても身近な症状と言えますね。
腰痛は大まかに2種類に分けられます。
特異的腰痛と非特異的腰痛です。
特異的腰痛とは、腰痛の原因が特定できるものです。
この特異的腰痛の原因には、腰椎骨折や脊柱管狭窄症、
坐骨神経痛を伴う椎間板ヘルニアのほかに
腰部の感染や腫瘍などがあります。
特異的腰痛は、医師の診察やレントゲンや
MRIなどの画像検査で原因が特定できますので、
治療方針も決まり、きちんと治療すれば治るものばかりです。
それに対して、非特異的腰痛は
原因がはっきりと特定できないタイプの腰痛です。
レントゲンやMRIなどの検査をしても、
特に病変が見つかるわけではなく、原因不明の腰痛です。
腰痛で受診する人の85%が、
この非特異的腰痛と言われています。
腰椎捻挫や変形性腰痛症、筋膜性腰痛、
腰痛症などと診断されているものは、
ほとんどがこの非特異的腰痛だと思われます。
非特異的腰痛は、原因が明らかではないため、
治療方針もなかなか決まらず、
鎮痛用の貼布薬の処方やコルセット、
サポーターの着用の指導が主な治療法になることが多いんです。
ぎっくり腰は動いて治そう
非特異的腰痛の中に、ぎっくり腰があります。
突然腰に激痛が走り、歩くどころか
動くこともできなくなってしまうぎっくり腰ですが、
ぎっくり腰の治療は「安静第一」と
聞いたことがあるかもしれません。
でも、実はぎっくり腰のあとに安静を続けていると、
ぎっくり腰が悪化したり、
腰痛が慢性化してしまうかもしれないんです。
安静を続けていると、
脊椎や腰部の筋肉の柔軟性が失われてしまい、
筋力も低下しますので、
腰痛の悪化や慢性化を招くんです。
安静は2日間程度にしておいて、
ある程度痛みが治まってきたら、可能な範囲で動いて、
日常生活を続けていったほうが良いでしょう。
実際にぎっくり腰のあとに安静を指示された人は、
可能な範囲で動いていた人よりも
翌年の再発率が3倍も高いことがわかっています。
ストレスで腰痛に?
非特異的腰痛の中には、
ストレスが原因のものもあると言われています。
ストレスが原因で腰痛なんて、意外な感じがしますよね。
ストレスを感じると、
脳は痛みを抑える作用のあるドパミンやオピオイド、
精神的な安定に必要なセロトニンなどの分泌が妨げられ、
自律神経のバランスも乱れますので、
筋肉痛などの体の異常が出やすくなるんです。
この状態で、事務仕事で座りっぱなしだったり、
立ち仕事で一日中立っていたり、重いものを運んだり、
ハイヒールで長時間歩いたりして、
腰に負担がかかる生活をしていると、
腰痛が起こりやすくなります。
日本ではあまり行われていませんが、
世界的には腰痛の治療法として、
患者の否定的な受け止め方を変えて、
前向きな行動を促す認知行動療法が行われています。
長引く原因不明の腰痛に悩んでいる人は、
ストレス解消を心がけてみると、
腰痛が緩和されるかもしれませんよ!