妊娠中に飛行機はOK?妊娠中に飛行機に乗るリスクを知っておきましょう。
妊娠中に飛行機に乗るリスク
出産後は子育てで忙しくなるから、
産まれる前に旅行しておこうと
思っている妊婦さんも多いと思います。
でも、妊娠中に飛行機に乗ると
少なからずリスクがあることを知っていますか?
2015年5月にカルガリー発成田行きのエア・カナダ機で、
妊娠中の女性が産気づき、そのまま機内で出産し、
成田空港に着陸したというケースがありました。
このケースでは、たまたま医師が乗り合わせていましたし、
母子共に健康な状態でしたので、事なきを得ました。
でも、医師などの医療職者が乗り合わせていないこともありますし、
通常分娩では対応しきれないことも考えられます。
そうすると、胎児だけでなく母体の命も危険な状況に陥りますので、
妊娠中に飛行機に乗るリスクは大きいんです。
妊娠中は血栓ができやすい
妊娠後期なら、産気づいたときのリスクがあるけど、
妊娠初期から中期にかけてなら、
そんなに心配は要らないんじゃないかと思うかもしれません。
でも、妊娠初期から中期でも、
健康な状態の人よりも飛行機に乗ることで
健康状態を悪くするリスクはあるんです。
妊娠中は、健康な人よりも血栓ができやすく、
エコノミークラス症候群になるリスクが上がります。
また、気圧の変化などで体に負担がかかりますし、
万が一出血したときなどの対処も遅れてしまいます。
放射線による胎児への影響も心配です。
「産婦人科診療ガイドライン産科編2011」では、
妊娠初期の被爆は50mSv未満なら
胎児の奇形発生率に影響しないとしています。
東京~ニューヨーク間の往復は0.2mSvの被爆になりますので、
それほど心配は要らないかもしれません。
でも、できればたとえ少量でも
被爆は避けたほうが良いのは事実ですから、
お腹の赤ちゃんのことを考えると、妊娠後期ではなくても、
やはり不必要な飛行機の搭乗は避けたほうが良さそうです。
妊娠中に飛行機に乗るなら
それでも、里帰り出産を控えていたり、
そのほかのどうしても外せない大切な用事などで、
妊娠中に飛行機に乗らなければいけないことも
あると思います。
そういう時は、まず乗る航空会社のルールを確認しましょう。
航空会社によって、妊娠何週目まで搭乗OKなのか、
診断書は必要かどうかが変わってきます。
また、産婦人科の主治医に相談しましょう。
飛行機に乗る機会があることを伝えて、
搭乗許可をもらうようにしましょう。
もし、航空会社に診断書を提出する必要がなくても、
主治医には必ず相談してください。
搭乗中は30分から1時間に一回は立ち上がって、
足を動かし、水分補給をしっかりして、
エコノミークラス症候群を予防して下さい。
妊娠中はトイレが近くなりますし、
頻繁に立ち上がって軽く動く必要がありますので、
通路側の席がオススメです。
イギリスの産婦人科学会は「正常な妊娠ならば、
妊婦自身やお腹の赤ちゃんに有害でない」としていますが、
それでも万が一のことがありますので、
妊娠中の飛行機の利用はリスクが伴うことを知っておきましょう。