耳掃除のしすぎはNG?耳垢の役割と耳掃除について知りましょう。
耳垢の役割
耳垢と聞くと、「汚い」、「不要なもの」、
「すぐに取り除いたほうが良いもの」
というイメージを持っているかもしれませんが、
そんなことはないのです。
耳垢は健康維持のための3つの役割を担っているのですよ。
耳垢の役割の1つ目は、細菌や真菌の発生を抑えることです。
耳垢は酸性ですから、
細菌や真菌の発生を抑える抗菌効果があり、
耳から細菌や真菌が侵入するのを防いでくれています。
2つ目の耳垢の役割は、殺菌作用があることです。
耳垢は、タンパク質分解酵素を含んでいますので、
耳から侵入しようとする細菌を分解して殺してくれるのです。
3つ目の役割は、外耳の皮膚の保護です。
耳垢には脂肪分が含まれていますので、
耳垢が外耳に付着することで、外耳の皮膚を保護し、
乾燥から守ってくれるのです。
耳垢の取りすぎには注意!
耳垢はただ汚いというわけではなく、
健康維持のために重要な役割を担っています。
また、基本的に耳垢は自然と外に出てくるものですから、
そこまで頻繁に耳垢を掃除する必要はないのです。
でも、あまりに溜め込みすぎると、耳垢塞栓となって、
外耳が耳垢でふさがれてしまうことにもなりかねませんので、
ある程度の掃除は必要になります。
ただ、耳垢を取りすぎると、
外耳の殺菌・抗菌作用がなくなりますから、
細菌が侵入して炎症を起こしやすくなり、
慢性外耳炎になる可能性があるんです。
また、耳かきで鼓膜や外耳を傷つけて、
そこから中耳炎を引き起こすケースもありますので、
耳垢の取りすぎには注意が必要なのです。
また、耳かきをする時は、
外耳から1センチ以上は綿棒を入れないように
気をつけましょう。
耳掃除が気持ちよい理由
耳垢の取りすぎは良くないことはわかっても、
耳掃除をすると気持ちよいから、
ついつい頻繁に耳掃除をしてしまうという人もいますよね。
耳掃除をすると、なぜ気持ちよいのでしょう?
それは、迷走神経を刺激するからです。
耳の入り口には迷走神経がありますが、
迷走神経を刺激するとリラックス効果がありますので、
耳掃除をすると気持ちよさを感じるのです。
ただ、迷走神経は内臓にも関与していますので、
耳掃除をして迷走神経を刺激すると、
リラックスすると同時に咳が出て、
思わず咳き込んでしまうこともあるんです。
耳掃除をして咳き込んでしまう時は、
いったん耳掃除を止めて、
落ち着いてから再開するようにしてください。
そのまま耳掃除を続けると、さらに咳が悪化したり、
外耳を傷つける可能性があります。
毎日のように耳掃除をしている人は、
今日から1週間に1回から1ヶ月に1回程度に、
耳掃除の回数を減らすようにしてくださいね。