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流行中のジビエは、加熱調理で安全に食べましょう。




ジビエがブーム

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ジビエという言葉を
2~3年前からよく耳にするようになりましたよね。

ジビエとは、食用として狩猟で捕獲した野生の鳥獣の肉です。

「ジビエ」はフランス語で、
フランス料理の高級食材として使われていました。

ジビエはイノシシやシカ、野ウサギなどが有名ですが、
限られたスペースの中で飼育されたわけではなく、
野山を自由に駆け回り、
自然の木の実をたくさん食べた野生動物は、
低カロリーで高タンパク、
ビタミンやミネラルが豊富であることが特徴です。

また、ジビエで地域振興をする地方自治体もあり、
珍味としてここ数年で注目が集まって、
ジビエブームになっているんです。

ビエで感染症に!

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ただ、ジビエを食べる時には注意が必要です。

ジビエは野生の鳥獣ですので、
飼育された家畜よりも寄生虫や細菌、
ウイルスがいる可能性が高いんです。

豚肉の生食はE型肝炎の危険があるため禁止になりましたが、
ジビエにもE型肝炎ウイルスが潜んでいます。

また、サルモネラ菌やO- 157などの腸管出血性大腸菌も
ジビエの肉から検出されています。

さらに、住肉胞子虫という寄生虫
感染しているリスクが非常に高いんです。

岐阜大学が2013年に行った調査によると、
シカ肉からは約90%の確率で、
イノシシ肉からは約45%の確率で
住肉胞子虫が検出されています。

住肉胞子虫に感染すると、
下痢や腹痛などの消化器症状が現れます。

実際に、ジビエを食べてE型肝炎や
腸管出血性大腸菌に感染するケースも報告されています。

「新鮮だから」、「珍味だから」という理由で、
ジビエを生で食べることは本当に危険なんです。

ジビエを安全に食べるためには

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ジビエを安全に食べるためには、
しっかり加熱する必要があります。

厚生労働省からも「ジビエ(野生鳥獣の肉)は
よく加熱して食べましょう」という通知が出されています。

細菌やウイルス、寄生虫は、
しっかり加熱すれば死滅しますので、
安全に食べることができます。

ただ、肉の表面ではなく、肉の内部に生息していますので、
中心部まできちんと加熱しなければいけません。

加熱温度の目安は75℃で1分間です。

中心部を75℃以上で1分以上加熱すれば、
ほとんどの細菌やウイルスは死滅します。

また、生のジビエを扱った調理器具を
そのままほかの食材に使用すると、
ジビエを加熱しても感染を完全に防ぐことはできませんので、
生のジビエを扱った調理器具は
しっかり洗浄・消毒をしてください。

ジビエは栄養豊富ですし、地域振興にも役立ちます。

また、農作物を荒らす害獣を減らせるというメリットもあります。

だからこそ、中心部までしっかり加熱して、
安全に食べるようにしましょう。





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2015年6月22日 | カテゴリー:食生活

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