うつ病の予防は食事から?心を健康に保つ食事について知りましょう。
健康型の食事が自殺を防ぐ?
うつ病の患者や自殺者の増加が社会問題になっていますよね。
うつ病対策には、ストレスを溜めないことや
早めに精神科を受診して治療を始めることが
有効とされていますが、
食生活もうつ病対策には有効なポイントの1つなんです。
国立がん研究センターのがん予防・健診研究センターが
8年以上かけて約9万人を対象にした調査を行ったところ、
食事内容によってうつ病や自殺を防ぐ効果があることが
わかったのです。
調査では対象者の食事から、
野菜や果物、イモ類、大豆製品、きのこ類、海藻類、
油の多い魚、緑茶などを多く食べる「健康型」、
肉類やパン、フルーツジュース、コーヒー、ソフトドリンク、
マヨネーズ、乳製品、魚介類などを多く食べる「欧米型」、
ご飯、味噌汁、漬物、魚介類、果物などを多く食べる
「伝統型」の3つのパターンを抽出して、
それぞれ追跡調査を行いました。
その結果、欧米型の食事と伝統型の食事を取っていたグループでは、
自殺との関連性が見られませんでしたが、
健康型の食事を取っていたグループでは
明らかに自殺のリスクが低かったんです。
自殺を防ぐのに有効な栄養素
なぜ、野菜や果物、イモ類、大豆製品、きのこ類、海藻類、
油の多い魚、緑茶などを多く食べる「健康型」の食事は、
自殺のリスクを減らすことができたのでしょうか?
先ほどご紹介した研究グループの見解によると、
健康型の食事には葉酸や抗酸化ビタミンが
豊富に含まれているからではないかとしています。
葉酸は神経の働きを正常に保ち精神的な安定をもたらす働きや、
抑うつ症状を抑えるセロトニンやノルアドレナリンなどの
モノアミン類を活性化させる働きもあります。
また、ビタミンCやカロテンは
抗酸化作用がある抗酸化ビタミンです。
活性酸素が増えるとうつ症状を引き起こす原因となりますので、
抗酸化ビタミンで活性酸素を除去することは
うつ病の予防につながるのです。
まず一汁三菜の和食から
健康型の食事を取ると、うつ病や自殺に効果がありますが、
突然今までの食事スタイルを変えて、
健康型の食事に変えるのは大変ですよね。
そのため、
まずは1日1回一汁三菜の和食を取ることから始めましょう。
和食は健康型の食事に含まれる野菜や大豆製品、
きのこ類、海藻類、脂の多い魚を使いますし、
一汁三菜にすれば、
それらを少しずつたくさんの種類を食べることができるんです。
1日1回の一汁三菜に慣れたら、
それを少しずつ無理のない範囲で回数を増やしていきましょう。
もちろん、健康型の食事に多い食品を使えば、
和食にこだわらなくても大丈夫です。
食事内容がうつ病や自殺のリスクに
大きく関与していることは間違いありませんので、
日ごろの食事を見直して、
食事から心も体も健康にしていきましょう。