塩分を取るとなぜ高血圧になる?塩分と高血圧の関係について知りましょう。
イギリスでも塩分過多が問題に
日本人の高血圧患者とその予備軍は
4000万人にも及ぶと言われています。
和食は低脂肪・低カロリーなので
健康的な食事なのですが、
唯一の欠点が塩分が多いことです。
日本人の1日あたりの
平均塩分摂取量は男性で11.4g、女性で9.6gで、
厚生労働省が推奨する
1日の塩分摂取量(男性9g未満、女性7.5g未満)を
大きく上回っています。
イギリス人の塩分摂取量は1日平均8.6gとのことですので
いかに日本人の塩分摂取量が多いかがわかりますよね。
でも、最近イギリスでも
塩分摂取量の増加が問題になっているんです。
イギリスのロンドン大学
セント・ジョージ校の研究チームは、
ロンドン南部に住む5~17歳の子供1807人を調査し、
「国の減塩キャンペーンにもかかわらず、
子供は塩分を取りすぎている傾向にある」
と結論付けました。
この調査は調査対象の子供の尿から
1日の塩分摂取量を推測したもので、
13~17歳の塩分摂取量7.55gで、
大人の塩分摂取推奨量(6g未満)を
大きく超えていることがわかったのです。
また、5~12歳の子供も、
塩分過多である傾向が出ているとのことです。
この原因として、パンやシリアルなどの穀類や
食肉加工品などが挙げられています。
過去の研究で、
塩分摂取量の多い子供は少ない子供に比べて、
高血圧になるリスクが40%も高いことが
わかっていますので、子供の頃から
塩分を控えることはとても重要なんですね。
塩分と高血圧の関係
塩分を取りすぎると、
高血圧になることは皆さんご存知ですよね。
でも、どうして塩分を取ると
血圧が上がってしまうのでしょう?
人間の身体には体内のナトリウム濃度を
一定に保つ働きがありますが、
塩分を取りすぎるとナトリウムの濃度を調節する
腎臓の機能に障害が出やすくなり、
体内のナトリウム濃度が上昇します。
ナトリウムは
水分と結びつきやすい性質を持っていますので、
体内のナトリウム濃度が上昇すれば、血液量も増えて、
血管にかかる圧力が高くなるため
血圧が上がってしまうのです。
減塩するためには?
高血圧を予防するためには、
日頃から減塩を意識する必要があります。
上記でも書きましたが、
現在の塩分摂取量は厚生労働省が推奨する摂取量を
大きく上回っている状態です。
減塩するためには、
①薄味になれること、
②出汁を上手に利用して、旨味を感じるようにすること、
③香辛料や酢などを使うこと、
④汁物は控えめにすること、
⑤加工食品は控えめにすること、
⑥醤油は「かける」のではなく「つける」ようにすること
等の対策が有効です。
また、ナトリウムを排泄するために
カリウムを多めに取ることも効果的です。
カリウムが多く含まれているのは、果物や野菜類です。
高血圧を予防するためにも、
減塩を心がけた食事を取るようにしましょう。